更年期障害の緩和に有効なサプリメント<高麗人参>

 

高麗人参は、亜熱帯気候の済州島を除き、朝鮮半島の全域と中国満州地方、ロシア沿海州地方で野生の山人参として自生していました。草である野生の人参が、土の中で何十年も腐らず自生し、300年育ったものもあるといわれています。歴史的には、自然の山人参の採取から、林間の日陰を作って栽培する林間日陰栽培に移行したあと、畑での日陰栽培が行われるようになりました。

 

日本で初めて高麗人参がもたらされたのは、天平11年(739年)渤海の使節、己珍蒙(きちんもう)が朝廷に献上したのが初めで、このエピソードは、『続日本書紀』に書かれています。

 

江戸時代、朝鮮通信使や対馬貿易などによりもたらされた高麗人参を日本で栽培するため試行錯誤が繰り返され、18世紀、八代将軍徳川吉宗の時代に、日光で栽培に成功し、幕府が全国に御種(おたね)人参(高麗人参)の栽培を勧めました。会津は藩を挙げて高麗人参の栽培に取り組み、その栽培は藩の財政を潤し、19世紀には清国に輸出するまでになり、会津の農家では、今でも多く栽培されていますが、会津のほかは、島根県、長野県で栽培されるのみになりました。

 

朝鮮半島では、数千年前から各種疾病の治療、予防などに広く使われ、神秘的な効能があることから”神草”と呼ばれました。生命の根とも呼ばれ、老人が若返った、力持ちになった、神仙になったなどの伝説がたくさん伝えらています。朝鮮半島の昔話で、子宝に恵まれない夫婦が、子宝を神に祈祷し百日が経ったとき、仙人が現れ、その奇特な思いの報いとして高麗人参を贈られ、それを育て食べたところ、子宝に恵まれたというものもあります。

 

漢方では、人は気、血、水の三要素からなり、相互が円滑に作用しあって健康が維持されるとみられています。”気”というのは、目に見えないが体の隅々まで働いていて、生命を支えるすべての原動力であるとされています。健康な人はこの中の”気”が順調に流れ、ストレスなどにより”気”の滞りが起きた状態が病気となるといわれています。高麗人参は、免疫力を高め、体を温かくする効能があり、”気”を調整し、”気”を補う、万能薬として、また病気を予防する未病の薬として、長く使われ続けています。

 

20世紀に入り、高麗人参の経験的、伝承的な効能を臨床試験で科学的に解明し、薬理的な裏づけをする努力が続けられてきました。有効成分のサポニン、ペプチド、アミノ酸等の分析や、有効成分と薬効の関係性が研究されてきましたが、未だ、明快な解答はなく、現代でも神秘の霊薬と呼ばれています。

 

効能は、五臓を補い、精神を安定するといわれいます。動悸、冷え、胸のつかえ、吐き気を緩和し、血行をよくし、癇癪をほぐし、記憶力をよくし、長期間使えば体が軽くなり長寿するという、まさに万能薬であり、更年期障害の諸症状に有効です。

 

ある臨床試験では、更年期障害の女性80人に、連続8週間、高麗人参(紅参)粉末を投与し、治療や予防効果を調査したところ、全体の80%以上に効果が認められました。抹消血管拡張作用などの高麗人参(紅参)末の薬理効果で、冷え性、ほてり、しびれなどで特に効果があり、倦怠感や卵巣機能、胃腸機能などにも効果がありました。症状にあわせて投与量を変えることにより、より高い効果が期待できます。

 

からだのリズムが大きく変わり、精神的、肉体的に対応できず、それが大きなストレスとなり、自律神経のバランスまで崩してしまうのが更年期です。更年期障害の諸症状に、高麗人参は確かな効果があります。高麗人参のもつ滋養強壮、抗ストレス、血行促進、健胃整腸、内分泌機能促進などの作用が、更年期障害の緩和に効果を表すと考えられます。

 

性成熟期から老年期へと移り変わる更年期を上手に乗り切るには、漢方薬やサプリメントは、副作用の少ない理想的な薬剤と見直されています。

 

 

 

2015年12月1日更新