更年期障害の診断

更年期障害は、生活の質を落とすことはありますが、命を脅かすものではありませんので、多少の症状があっても、心配する必要はありません。家事や仕事など、日常生活に支障をきたすような更年期障害でなければ、治療を受けなくても年齢とともに軽減、改善されます。更年期障害は個人差が大きく、日常生活に支障がある場合、治療したほうがいいといえます。しかし、更年期障害の症状は徐々にでてくるため、初期症状は軽くても、その後重くなる可能性もありますので、ある年齢がきたら、定期的に検診を受けることも必要です。

 

 

更年期障害がひどくなりやすい体質

更年期障害にみられる不定愁訴(イライラ感、不安感、疲れやすさ、不眠など)は、女性ホルモンのエストロゲンの欠乏によるホルモンバランスの乱れが根底の原因としてあり、それに、こどもの教育、夫婦関係、老親の介護、社会環境などからストレスか加わり、本人の性格と相まって発症するものと考えられます。そのため、検査をしても特段の異常が発見されないなど、発症のしくみは解明されていませんが、中枢における神経伝達物質の異常な分泌もかかわっているといわれています。そのことから、持続的な緊張感やストレスに晒されている人は、卵巣機能の低下に伴い、更年期障害の症状がひどくなる可能性があります。

 

性格がまじめで几帳面な人、少しのことでもくよくよする人、うつ傾向のある人などは、更年期障害の症状が強くでやすいと考えられます。

 

 

更年期障害の症状事例

症例1)ほてりや頭痛、疲労感など、毎日くるくると症状が変わるが、検査では異常が出ない。(40代後半)

典型的な女性ホルモンのエストロゲン欠乏にもとづく更年期障害の症状で、一般的な検査では異常が出ないのも、更年期障害の特徴です。このまま放置すると症状が悪化するので、その前に治療を受ける必要があります。ホルモン補充療法で劇的に改善します。

 

症例2)最近ひどく顔がほてる(40代後半)

ほてりが上半身、特に顔に、周期的にきて発汗を伴う(ホットフラッシュ)場合、女性ホルモンのエストロゲン欠乏による更年期障害の典型的な症状になります。症状がつらい場合、ホルモン補充療法で劇的に改善しますので、早めに婦人科を受診したほうがいいと考えられます。

 

症例3)なんとなく眠れない日が続いている(50代前半)

不眠は更年期の女性によくみられる症状のひとつですが、寝つきが悪い、朝早く目が覚める、眠りが浅いなど、不眠といってもさまざまな症状があります。また、不眠の原因は、更年期障害によるものと、抑うつなど神経症によるものとがあり、一概に更年期障害であるとはいえません。更年期による不眠は、夜中にほてりや寝汗で目が覚めてしまうことが多く、この症状が診断の決め手となります。発汗を伴う不眠の場合、ホルモン補充療法を受けると効果があります。

 

症例4)過労やストレスがたまると、イライラがつのったり、下痢をします(50歳)

過労やストレスがたまれば誰でもイライラし、下痢や腹痛などの症状も伴うこともあります。このような症状があるからといって、すぐに更年期障害としてしまうのは問題があります。過労やストレスがたまらないよう世活のリズムを整え、それでもなお症状が残るようなら、産婦人科を受診し、更年期障害の診断を受けたほうがいいといえます。

 

症例5)1~2ヶ月前からときどき動悸がします。検査で心臓に異常はなく、医師に神経症と診断されました。(40代後半)

一般的に動悸は、原因が心臓にある場合と、貧血、発熱、甲状腺機能亢進症のような心臓以外の場合があります。もし、動悸に不安感、手足のしびれ、胸苦しさ、イライラ感などがある場合、神経症や自律神経失調症が考えられます。ほりりや発汗を伴う場合、女性ホルモンのエストロゲンが欠乏しておこっている動悸で、更年期障害と考えられます。

 

 

 

2015年12月1日更新