ホルモン補充療法とは

ホルモン補充療法は、1940年代のアメリカで始まりました。アメリカのある婦人科医が、避妊薬のピルを常用している女性が年齢よりも若々しいうえに、更年期障害を訴える人も少ないことに着目したことに始まりました。ピルに含まれるエストロゲンが若さを保つだけでなく、更年期障害の諸症状の改善にも有効であるとわかった結果、更年期障害の治療薬として用いられるようになりました。

 

ホルモン補充療法は、このように更年期障害の諸症状の改善に優れた効力を発揮するばかりでなく、この時期から増えてくる女性の老化現象を予防したり、軽減したりすることが実証され、欧米はもちろん、アジア諸国にも幅広く普及しています。ところが、日本では、ホルモン剤への根強い抵抗感や副作用への恐れなどの理由から、普及率は1%台にすぎません。近年は、その治療法の効果やリスクが医療側にも正しく認識され、更年期障害に苦しむ女性ともども、積極的に使う人が増える傾向にあり、徐々に広がりをみせています。

 

更年期障害の諸症状は、卵巣機能の低下にともなって、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)、2種類の女性ホルモンの分泌が急激に減少したり、分泌が不安定になってホルモンバランスが崩れたりするために自律神経の働きがみだれておこります。一般に、血中のホルモン濃度を測定して、エストロゲンが50pg/ml以下に低下すると、更年期障害の症状が出やすくなります。

 

ホルモン補充療法は、減少したエストロゲンを対外から補うことによって、ホルモンの激減という急激な変化にからだを少しずつなれさせていくという治療法です。実際の治療では、少量のホルモン剤を飲み薬や貼り薬を用いて、体内の女性ホルモンの急激な減少をなだらかにし、からだがホルモンの減少に無理なくついていけるようにします。その結果として、ほてりや発汗、いらいら、不眠などのさまざまな更年期障害の諸症状が改善、予防されます。

 

 

 

2015年11月12日更新